コラム

家族信託を考えはじめるベストなタイミングとは?

相続対策を考える中で、相続対策には適正な時期やリミットがあることを知った。
「では、家族信託を考えるベストなタイミングやリミットはいつなの?」

今回は、家族信託を検討する最も良いタイミングや、「ここまでには対策をしないと間に合わない」といったリミットについてお伝えしたいと思います。

理想のタイミングは元気な時

家族信託を一言でいうなら、「信頼する家族に財産を託して管理承継する方法」です。
認知症対策や二次相続以降の承継者の指定等でも注目されている、柔軟な相続対策を可能とするものです。
しかし、認知症対策になると言っても、実際に認知症になってからでは、家族信託契約を結ぶ事はできません。
必ず認知症になる前の段階で信託契約を締結する必要があります。

では、実際に「家族信託を始める理想的なタイミングはいつなの?」と言うご質問をよくお伺いします。
私が思う理想的なタイミングとは、「早ければ早い方が良い!」という事です。
早くに家族信託を結んでも、後々気持ちが変わるかも知れないので、完全に決まってからが良いと言う方もいらっしゃますが、そのような時は家族信託契約を変更する事もできます。
一般の方でも資産家の方でも認知症やケガや病気になるリスクは同じです。
万一、認知症になってしまうと、すべての予定していた相続対策はストップしてしまいますし、銀行に預けている預金も引き出す事はできなくなります。
そのような事態に陥る前に出来るだけ元気な時に家族信託を考える必要があります。

相続対策の仕方は人それぞれ、専門家の無料相談を活用しましょう

家族信託は様々な場面に対応できる自由度が高く柔軟な制度です。
但し、新しい制度であるがゆえに司法書士・弁護士・税理士等の専門職であれば誰でもできるという訳ではありません。
また、新しい制度であるがゆえにリスクも確かに存在します。
 当然のことですが、専門職でも難しいと言われる家族信託を、書籍やインターネットの情報だけでご自身で実行しようとするのは、自分で自分を手術するようなもので、絶対に避けるべきであると言えます。
 他の相続対策(遺言・任意後見・成年後見・生前贈与等)と比較しながら、
本当に家族信託を設定することが最適な選択肢であるかどうかを検討する必要あります。
もしかしたら、状況によっては、後見制度や他の相続対策で十分対応できる場合もあるかも知れませんし、他の制度との併用が必要な場合もあります。
だからこそ、相続全般に精通していて、家族信託についてきちんとした見識と実務経験がある専門家に相談することが一番大切であると言えます。